公開日:2015/4/10
『スーパー英語』で、「自学自習」が習慣化
英語教育改革を受けて、教員にも一定の高い語学力が求められ始めている。教員を養成する大学の役割も、今まで以上に重責を担うことになる。限られた授業時間で、いかにして学生の語学力を高めればよいのか。大阪教育大学の実態をレポートする。
大阪教育大学
1874(明治7)年に設立された「教員伝習所」を起源とし、国内でも有数の長い歴史を誇る国立・大阪教育大学。教員大学としては西日本で最大級であり、数多くの教員を育ててきた。各教科の教員養成課程の他、教養学科や夜間学部もある。
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『TOEFL ITP®』向け学習に最適
全学共通の必修科目である「英語Ⅱa」を受け持つ安部文司先生は、長らく『スーパー英語』の導入を熱望していた。以前から使っていたTOEFL®のLMS教材の内容が古くなってきたため、早急にアップデートする必要があったのだ。TOEFL®関連の教材が数多くある中、『スーパー英語』を選んだのは、なぜだったのだろうか。
「私が受け持つ『英語Ⅱa』は、『CaLabo EX』のCALLシステムを活用し、自学自習を取り入れた授業です。グローバル社会に生きる大学生として必要な学術英語と、英語コミュニケーション能力を身につけることを授業の目標としており、具体的には『TOEFL ITP®』で500点以上取ることを目指して学習し、最後の授業終了後に受講生全員が一斉に受験します。その『TOEFL ITP®』対策の学習をCALLでしっかりできるデジタル教材が、『スーパー英語』だったのです」と言う安部先生は、ボリュームの多さも、大きな魅力だったと語る。
『スーパー英語』は、500時間以上の英語教材を搭載。「Training Bank」には700を超える講座が収録されているほか、模擬テストを収録した「Test Bank」や、毎週配信される「週刊!英語ドリル」など、豊富なコンテツが特長だ。
「教材が多ければ多いほど、いろいろな使い方が可能になります。教員は自分の授業に合わせて教材を選べ、課題としても出せる。さらに、学生は自分の弱点を補う教材を選んで学習できると考えました」と、安部先生は言う。
自主学習を促す「My Portfolio」
- 上:毎週配信される「週刊!英語ドリル」は、学生たちに好評。特に、ディクテーションに自主的に取り組む学生が多いという。
下:「『スーパー英語』は、画面がスッキリとしていて見やすく、使いやすい」と、松本先生は高く評価している。
この『スーパー英語』を、「英語Ⅱa」では、自宅での自習教材として活用している。「Test Bank」に収録されている「TOEFL® mini」講座(全15回分)の中から毎週一つずつ、次週までの課題として出しているのだ。ここで役立つのが、学生一人ひとりの学習状況を正確に把握できる「My Portfolio」機能だ。その良さを、安部先生はこう語る。
「これまでは、課題をちゃんとやったかどうか、一人ひとりについて確認するのが困難でした。しかし今では、「My Portfolio」によって、誰が、いつ、どの問題に取り組んだかがひと目でわかります。学習状況をチェックされていることを学生も知っているので、手を抜きません」
eラーニングのような自主学習では、いかに学習者のモチベーションを高め、維持するかが重要なのは言うまでもない。その点、『スーパー英語』には、学習意欲を高める機能や仕掛けが多く盛り込まれている。「学習マイル・ポイント」も、その一つ。学習した時間や成績によってマイルがたまって表示される仕組みで、学習マイルがどれだけたまったかを学生同士で教え合い、励みにしているという。
自主学習が習慣化し始めた
2014年5月に『スーパー英語』を導入して約9か月が経過、その効果は現れ始めている。『スーパー英語』を使って自主的に学ぶことが、習慣として定着してきているのだ。
「授業のアクティビティの合間や、授業が早めに終わった時など、ちょっとした空き時間に、学生たちは『スーパー英語』を開いて自主的に学ぶようになりました」とは、同じく「英語Ⅱa」を受け持つ、松本マスミ先生のお話だ。
実際、松本先生の授業を拝見させていただいたが、学生たちは指示されずとも『スーパー英語』の画面を開き、「週刊!英語ドリル」などに取り組んでいた。さらに冬休み中には、多くの学生が『スーパー英語』での自学自習に励んだという。
「通常は課題に指定した『TOEFL® mini』の問題にのみアクセスできるよう制限をかけているのですが、『冬休み中は過去に取り組んだ問題も開放するので自由に学習してください』と呼びかけてみたところ、期待以上に取り組んでくれました」と、松本先生は言った。
授業の教材としても活用したい
「『スーパー英語』はとてもいい教材なのですが、『TOEFL® mini』に正答とスクリプトがついていないことだけが残念。それがあれば、授業での教材としても使え、活用の幅がさらに広がります」と言う安部先生。
自分たちで正答と解説を作成することも検討しているという。教員に一定の高い英語力が求められ始めている今、ある程度大きなクラス規模の中で、きめ細かな指導をするには、『スーパー英語』や『CaLabo EX』のようなICTの活用が欠かせない」と、安部先生。
「『CaLabo EX』もバージョンアップし、使い勝手がよくなりました。ファイルの配布などをドラッグ・アンド・ドロップで操作できるようになりましたし、学生の画面をモニタリングするにも、サムネイルで全座席を一覧できるようになったので、とても便利です。今後も上手にICTを活用して、学生たちの英語力をさらに伸ばしていきたいですね」と話してくれた。
教養学部教養学科
欧米言語文化講座 教授
松本 マスミ 先生
教養学部教養学科
欧米言語文化講座 教授
安部 文司 先生