公開日:2008/9/29

堀田龍也の心に響く名言集

堀田龍也連続インタビュー第1〜6回・ダイジェスト【教育の情報化編】

チエルマガジン第3号を皮切りに、チエルWebマガジンにて集中連載した、
堀田龍也先生(独立行政法人メディア教育開発センター准教授)の
連続インタビュー「これでわかる『教育の情報化』」。
ICT活用のススメや情報活用能力の育成、情報モラル教育や効果的な研修方法など、
さまざまな話題について語っていただいた。
今回は、全6回のインタビュー記事から印象的かつ象徴的な言葉を抜粋したダイジェストをおおくりする。

第1回【教育の情報化って何?】

—— 社会は大きく変化し、私たちの生活も「情報化」されています。「教育の情報化」は必然であり、避けて通れない道です。
 では、「教育の情報化」とは何でしょうか? 私は、大きく2つに分けられると考えます。一つが、「授業中の情報化」。そしてもう一つが、「授業中以外の情報化」です。

—— 授業でICTを使うのは、子どもへの「教え方」を向上するのがねらいです。教える内容まで変える必要はありません。
 授業でICTを使うのは、普通教室での教科授業を、よりわかりやすく改善するのが目的。子どもへの「教え方」や「指導方法」を、ICTによって工夫・向上するのがねらいです。教える内容まで変える必要はありません。今まで通りでもいいのです。

—— 「情報教育」を一言で言うなら、「情報社会を生きるために必要な力を養う教育」と、まとめられるでしょう。
 情報社会を生き抜くには、氾濫する情報の荒波から必要な正しい情報を見抜き、整理し、そしてさまざまなメディアを使ってわかりやすく上手に伝える力が欠かせません。

—— 教師は授業の準備や校務に追われています。限られた時間を効率的に使うには、「授業中以外の情報化」が欠かせません。
 ICTを使うことで、授業のねらいに合致した最適かつ効果的な教材を、従来よりも短時間で準備できるようになってきています。

—— 保護者や地域の方々が「学校では今日こんなことを学んだのか」「今こんな学習活動をしているのか」と知ることで、学校との距離感が縮まり、信頼関係が生まれます。
 ホームページやブログを使えば、日々の出来事をリアルタイムで発信できます。紙のプリントに比べて発信の手間もコストもかからないので、教師の負担も軽減され、頻繁な発信が可能になります。

—— ICT環境の整備は、自治体によって格差が生じて来ています。この格差を是正するには、教育の情報化の成功事例を広め、その効果や大切さを知ってもらうことが大切です。
 「教育の情報化は必要なんだ」と実感すれば、自治体も予算を投入して力を入れるようになり、格差もやがて無くなると考えています。

第2回【ICT活用で、わかる授業を!】

—— 口で説明しただけではわからない子どもが、ICTを使って大きく見せるだけでわかるようになる。「百聞は一見にしかず」、です
 大きく見せなくても知的能力の高い子どもはわかります。でも、見ないとわからない子もいる。そういった子どもたちが勉強についていけず、自信を失い、学力崩壊を起こし、社会問題にまでなっているのです。

Profile

堀田 龍也(ほりた・たつや)

独立行政法人メディア教育開発センター准教授/文部科学省初等中等教育局情報教育参事官付・参与
東京都公立小学校教諭、富山大学教育学部教育実践総合センター助教授・静岡大学情報学部助教授等を経て現職。
主な研究テーマは、学校現場(特に小学校)における情報教育の授業研究、カリキュラム開発、学習環境設計など

 

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