公開日:2017/8/4
2017日本ICT教育アワード『文部科学大臣賞』は「茨城県つくば市」に決定!
第1回全国ICT教育首長サミットにて
全国自治体の首長が中心となり「全国ICT教育首長協議会」が設立されたのは2016年8月。同年10月の総会において〝サミット〟の開催が決定し、2017年2月に『第1回全国ICT教育首長サミット』が開催された。当日は、首長のリーダーシップによってその地域の教育課題をICTの側面から解決した取り組みを『2017日本ICT教育アワード』として表彰。第一次審査を通過した6つの自治体がプレゼンテーションを行い、「文部科学大臣賞」1自治体と、「全国ICT教育首長協議会会長賞」5自治体が決定した。
2020年からの次期学習指導要領を見据えたICT活用を
『第1回全国ICT教育首長サミット』は、佐賀県多久市の市長で、全国ICT教育首長協議会会長を務める横尾俊彦氏の挨拶からスタート。「子供たちの未来のために、いかに効率的かつ効果的にICTを活かした教育を進めていくかを協議会で共有し、意見交換を行いながら、各自治体でのエビデンスからヒントを得たい」と語った。
続いて松野博一文部科学大臣の祝辞を、同省生涯学習政策局生涯学習総括官の佐藤安紀氏が代読。「『ICT for Active Learning』の環境づくりや、2020年からの次期学習指導要領に向けて、モデルケースである六つの自治体から知見・ノウハウを学び、質的向上や制度改革の呼び水として活用していただきたい」との内容が伝えられた。
また、独立行政法人日本学術振興会の安西祐一郎理事長も登壇。「ICTによって日本の教育が変わろうとしています。ICTの導入は、ICT主流の時代へと変革を遂げるタイミングにあり、いわば明治維新です。アメリカでは、かつて鉄鋼の町だったピッツバーグが、40年をかけてハイテクの町へと変貌を遂げました。そこにあったのは、企業と行政の協力です」と語った。
六つの自治体が多様な視点で多様な事例を紹介
「2017日本ICT教育アワード」を決する六つの自治体によるプレゼンテーションにあたっては、まずは第一次審査で審査委員長を務めた東原義訓信州大学学術研究院教育学系教授から審査基準が説明された後、六つの自治体がそれぞれ持ち時間10分で取り組み内容を紹介した。(図1・2)
投票を行ったのは、加盟自治体全116(2017年2月22日時点)のうち、当日出席した51の自治体。六つの自治体の中から一つだけ選び、〇をつける投票方式で、茨城県つくば市が、見事に「2017日本ICT教育アワード『文部科学大臣賞』」に輝いた。日本教育工学協会(JAET)が定める「学校情報化先進地域」としても認定されているつくば市。副賞としてパナソニック教育財団から助成金も授与された。
企業の貢献可能性を議論する”エデュカッション”も開催
2017日本ICT教育アワードに続いて行われたのは、『エデュカッション ~教育ICT推進のためのサロン~』。「エデュカッション」とはEducationとDiscussionを組み合わせた造語だ。「ハード・ソフトウェアに関する自治体の課題に企業がいかに貢献できるか」というテーマでは、横浜国立大学教育人間科学部附属教育デザインセンターの野中陽一教授が、「ネットワーク・セキュリティ対策はどうあるべきか」というテーマでは、信州大学の東原義訓教授がモデレータとなり、首長と企業が意見交換を行った。自治体からは以下のような意見が出た。
そして、これらの声をもとに、全国ICT教育首長協議会の横尾会長がコメント。頻繁な部署異動が一般的な行政の人事制度において、ICTのスペシャリストが集結する部署の創設や、相互評価を伴う官民共同のネットワークづくりなどのアイデアが語られ、閉会となった。