Part 3:成功している教員研修【教育センター研修】ICT活用研修は、授業づくりの研修であるべき!

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岡山県総合教育センター
情報教育部
片山 淳一 先生

 岡山県内の教員研修を行っている、岡山県総合教育センター(※岡山市と倉敷市を除く)。実物投影機やデジタル教科書などのICT活用研修も盛んに行う一方で、昼休みを利用して、フラッシュ型教材の15分間研修も日常的に行っている。常連参加者もいるほど人気を博している、このミニ研修。成功の秘訣は何だろうか。

授業力の向上に直結した研修

 「ICT活用研修ではありますが、機械は前面に出しません。教師の本分である、授業計画や発問、答えさせ方など、授業に直結する研修を心がけています」
 この日行われた「ミニミニミニフラッシュ型教材セミナー」にも、そのポリシーは如実に現れていた。
 「今日のフラッシュ型教材セミナーは、『発問』がテーマ。フラッシュ型教材の使い方を通して、同じ問題でも発問次第でいろいろな問題に変化すること、下手な発問では子どもの声がそろわなかったり、子どもがとまどうことを模擬授業で実感してもらいました。そして子どもたちが明快に答えられる良い発問とは何かについて考え、発問を吟味する大切さに気づいてもらうのがねらいです」
 このセミナーは、研修が行われる日の昼休みに行われているが、常連参加者が出るほどの人気。常連の一人にこのセミナーの良さを聞いてみたところ、「授業で子どもの声がそろわないという悩みがあるが、そんな悩みを解決したり、自分の指導の課題を見つめるのに、このセミナーは役立っている。ICTを学ぶというより、指導技術を学ぶために来ています」と、うれしい答えが返ってきた。

模擬授業を取り入れる

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フラッシュ型教材の模擬授業では、簡単な発問から始め次第に難しくしていった。授業力向上につながるコツを伝えたいという意図がうかがえる。

 「授業に直結した学びを提供するなら、模擬授業で体験・体感してもらうのが一番効果的です。実物投影機やデジタル教科書の研修でも模擬授業を必ず取り入れています。模擬授業は短時間でいい。ICTは授業の導入場面で使うことが多いので、導入の場面だけ実施したのでも良いでしょう」
 まずは講師が模擬授業を行い、ワークショップで授業作りを話し合って、受講者も模擬授業を行うという。
 「解説・講演ばかりでは受講者が受け身になってしまう。模擬授業を取り入れることで、積極的な参加を促します」

PCに向いている時間は少なく!

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研修はチームで動くことが大事。この日のセミナーも、会場設営、呼び込み担当、ポスター作りなど、多くの先生方が裏方で支えていた。

 センターが開催しているICT研修では、PCに向いて作業する時間よりも、受講者同士で話し合う時間のほうが断然長い。この日行われていた中学校教師を対象とした情報モラル研修でも、受講者同士で授業の目標設定や発問などについて熱心に議論。それを受けて講師も「教材ビデオを見せて感想を言わせるのではなく、メールやプロフなど、メディアの特性を考えさせましょう。そのためにはどんな発問がいいでしょうか?」と、授業作りに直結した指導が見られた。

時間は短くてもいい

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会場では、フラッシュ型教材の関連資料も展示。

 「短時間の研修を頻繁に開催し、参加できる人がその都度参加すればいい。人数が少なければ、ワークショップや議論の時間を増やすなど、臨機応変にすればいいでしょう」
 事実、わずか15分間の研修で、受講者は多くのことを学んでいた。
 「今後も、さまざまなICTが登場し、学校現場に入ってくるでしょう。センターでも新たなICTに対応した研修を実施していきますが、『授業に直結した研修』というコンセプトは変えずに、続けていきたいと思います」

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