今から始めるタブレットPC【第2回】

― タブレットPC初心者を応援します! 連載企画 ―


タブレットPCでできる、基本的なことを学ぼう。
「教わったら、アイデアがどんどん湧いてきました!」

タブレットPCの活用方法を一から学ぶ、連載企画第2回。
「タブレットPCに触ったこともない」という坪田先生が、実際に触れてみます。
チエルの菅田直之が講師を務め、タブレットPCの基本的な操作方法や便利な使い方について、授業支援システムを使いながら、マンツーマンで指導しました。

研修は、電源の入れ方からスタート!

「今日は、タブレットPCでできることを坪田先生にお伝えしたいと思います。中でも、簡単にできる使い方、授業計画は今まで通りでいい使い方を紹介します」

 チエルの菅田直之が挨拶すると、坪田先生は、手にしたタブレットPCをしげしげと眺めながら、さっそく質問しました。

「電源の入れ方から教えてください。スイッチは長押し?軽くタッチですか?」

 電源オンの仕方から…。まさに「一から学ぶタブレットPC」です。

「あっ、(電源が)ついた。ちょっと感動しますね(笑)」

 にこやかな笑みを浮かべる坪田先生に「『タブレットPC』だと身構えず『大きなスマホ』と考えてください」と言って、菅田はやさしく丁寧に、指導を開始しました。

「坪田先生は、スマホで写真を撮りますか?タブレットPCにもカメラが付いています。まずは、このカメラ機能を使ってみましょう。これが一番簡単な使い方だし、入りやすいと思います」

 菅田は、初めに、子どものノートをタブレットPCで撮影する使い方を紹介。机間指導をしながら「いいな」と思った子どものノートをタブレットPCで撮影し、電子黒板やプロジェクターに映して発表したり、みんなで観察をしたりすることができます。すると坪田先生は「これはいいですね」と、大変興味を示しました。

 そして「テレビ画面いっぱいに表示できますか?細部まで見えるようにしたいので」「撮った写真に書き込むこともできますか?書いたのを元に戻す機能は?」「例えばAさんのノートとBさんのノートを撮影して、並べて表示して、比較観察できますか?」等々、次々と質問する坪田先生。どうやら早くも、授業で使うイメージが湧いてきたようです。

デジタル教材の配信をしてみよう!

 続いて菅田は、授業支援システム内の「デジタルノート」の使い方を指導しました。

「子どもたちのタブレットPCに、デジタルノートを配付することもできます。テンプレートを使えば、簡単にデジタルノートを作れます」と、菅田は分度器のテンプレートを紹介しました。

菅田が分度器のテンプレートを使ったワークシートを紹介すると、坪田先生はさっそく自分のタブレットPCで書き込んでいた。

「このテンプレートを子どもたちのタブレットPCに配信し、例えば『60度を書き込みましょう』と指示するのです。子どもたちはタブレットPCに答えを書き込み、その回答をすぐ電子黒板やプロジェクターに映して発表したり、みんなで共有することができます」

 すると坪田先生が「あっ」と小さく叫びました。

「そういう活動、コンピュータ教室でやったことがあります」

「そうです。タブレットPCを使えば、コンピュータ教室でしかできなかった活動も、普通教室でできるようになるんです」

「なるほどー、それはすごい」

 坪田先生は、感心してうなずきました。

「このタブレットPCに入っている授業支援システムには、このようなテンプレートがたくさん収録されています。例えば…このような数の位を書き込める表もあります」

 菅田が「数の位」のテンプレートを映すと「あ、これは」と、坪田先生は教卓に駆け寄り、箱の中から何やら取り出しました。

「つい先日、同じような教材を紙で作ったところなんです。これなんですが…(黒板に貼りながら)こうやって黒板に貼って、子どもを1人ずつ指名して問題を解かせたんですが、教材を作る手間もかかるし、黒板に回答を書く時間も随分かかったんですよね」

「このデジタルノートなら、1人ずつではなく、同時にそれぞれのグループごとで問題に取り組めますし、書いた答えを電子黒板やプロジェクターに一覧表示したり、並べて比較させたりも簡単ですよ」

 菅田がそう説明すると、坪田先生は大きくうなずきました。

自作した紙のテンプレートと、デジタルテンプレートを見比べる坪田先生。「紙より便利そう!」と感心しきり。

実践のアイデアが、次々と湧いてきた!

最後に、菅田はこうアドバイスをしました。

「タブレットPCと黒板を併用するのがおすすめです。今まで通りに黒板中心で授業を進めながら、子どものノートをタブレットPCで撮影して電子黒板やプロジェクターに映す等、ピンポイントでタブレットPCを活用すれば、授業計画を一から作り直す必要はありませんよ」

 わずか1時間程度の研修でしたが、坪田先生はすっかり感心した様子です。

「タブレットPCって、思ったよりもきっと難しくないんでしょうね。今日の研修だけで、タブレットPCに挑むハードルがぐっと下がり、大きく前に進んだ気がします。今までは手に取る気も起きなかったけど、取ってみてもいいかなと実感しました」

 さらに、実践のアイデアも湧いてきたようです。

「子どものノートをタブレットPCで撮影して、並べて比較させてみたいですね。書き込みもできるし、画像としても残せるとのことで、これまでより便利になること、間違いなしですね」

 また、タブレットPCなら、普通教室でインターネットを使えるようになるのも魅力だと、坪田先生は言います。

「例えば、社会科の授業でニュースサイトの新聞記事を見せて導入にしたり、ネット上にある動画教材や資料画像を見せたり、様々な使い方ができそうです」

 坪田先生は満面の笑みを浮かべました。

これからは、タブレットPC、毎日使ってみます!

 すっかりタブレットPCに魅了されたようすの坪田先生に、相模原市立総合学習センターの岡部指導主事は今後のプランを伝えていました。

「まずは、教員用のタブレットPCを日常的に使ってみてください。タブレットPCを使って、教材や課題を提示すること。これがステップ1です。ステップ2では、子どもたちにグループ1台でタブレットPCを使い、調べ学習をしたり、まとめて発表したりしてみましょう。今年度内にステップ2までたどりつくのを目標に、がんばってください」

 そんな岡部指導主事のアドバイスを聞いて、坪田先生はさらなるアイディアを思い付いていました。

「子どもに使わせるなら、算数の図形の単元がいいかも。ちょうど今、複合図形の面積を学習しているんですが、自分なりの面積の求め方を考えて発表するのに、デジタルノートが使えそうです」

 「それと、メダカのオスとメスの写真を並べたデジタルノートを作って、比較観察させてもいいですね。両者を見比べて、発見した”違い”をタブレットPCで書き込ませるんです」

 次から次へとアイディアが湧いてくるのに、驚きました。もともと授業力が高いことから、タブレットPCの使い方を少し習っただけで、授業での活用のアイディアもたくさん思いついたのでしょう。

 最後に坪田先生は、こう力強く宣言してくれました。

「タブレットPC、毎日使ってみます!」

第3回では、坪田先生が授業のどのような場面で、タブレットPCを取り入れようとするのかについて取材します。

お話を伺った先生

相模原市立共和小学校
4年1組担任 情報教育担当

坪田 沙織 先生

相模原市立総合学習センター
学習情報班

岡部 竜生 指導主事

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