平成22年度から始まった総務省の「フューチャースクール推進事業」は、学校関係者や教育界にとどまらず、一般社会にも大きな反響を呼んだ。子ども1人に1台のタブレットPCを持たせて授業や学習活動で使うという取り組みが、新しい教育の在り方だとして注目を浴びたのだ。翌平成23年度には、文部科学省の「学びのイノベーション事業」もスタートし、「フューチャースクール推進事業」と連携して実証研究が進んでいる。
だが注目を集めた反動からか、「フューチャースクールは課題山積」「うまく機能していない」と批判するマスコミも目立つ。これらの批判を耳にして、「フューチャースクールは失敗だったのか?」と落胆したり、「私の学校にはいつタブレットPCが入ってくるのか。授業を変えなければいけないのか」と不安を感じている先生も多いようだ。
こういった不安の声が聞こえてくるのは、「フューチャースクール」の目的や意義が正しく理解されていないためではなかろうか。
そこで今回は、「フューチャースクール推進事業」の委員として事業の立ち上げと1年目に携わり、平成23年度からは「学びのイノベーション事業」の委員を務めている堀田龍也先生に取材。両事業の目的や意義を再確認するとともに、現在の状況と課題、今後の展望をうかがった。