公開日:2023/6/1

第14回 EDIX(教育総合展)出展レポート

GIGAスクール時代の教育DXのニーズに応えるソリューションを展示

 2023年5月10日~12日、東京ビッグサイトで開催された教育分野日本最大の展示会「第14回 EDIX(教育総合展)」。今年で14回目の参加となるチエルは、ユーザー様のニーズに応えるべく開発した新たなソリューションを展示した。

 GIGAスクール構想により、学校現場では、児童生徒の1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備が進められている。一方で、多くの自治体では校務支援システムを自前サーバに設置し、校務用端末も職員室に固定されていることが多いと言われる。そこでチエルは、Google Workspace for Educationを最大限生かしたフルクラウド型校務支援システムを開発している。

 チエルは1人1台端末活用の新たな価値を目指す「データ利活用」の促進にも注力している。例えば、児童生徒の学習履歴(スタディログ)や先生の指導履歴(アシストログ)の結合データを一覧表示することで、エビデンスに基づく指導や支援をサポートする。

 通信モニタリング端末Tbridge®、およびこのTbridge®を通じて学校全体や自治体など大きな無線LAN環境を統合的にモニタリングするシステムTbridgeT-Manager®もネットワークのアセスメント・改善を図れると注目を集めている。英検対策教材で5級から準1級までのレベルをカバーする英検®CATはリニューアルし、ユーザーフレンドリーなインターフェースに磨きをかけた。

 チエルはこれからも、先生に寄り添ったものづくりを追求し、校務負担軽減を目指した学習環境づくりのサポートに総力を挙げる。

NEW ソリューション ピックアップ! Google Workspace for Educationと連携し、校務DXを実現
フルクラウド型校務支援システム
2024年2月発売予定

教育DXや働き方改革の流れへの適合が求められている

 GIGAスクール構想により、学校現場では、児童生徒の1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備が進められている。ICTを「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に必要不可欠なツールであるとともに、先生の長時間勤務を解消し、学校の働き方改革を実現する上でも極めて大きな役割を果たしうるものと位置付けた。これに伴い、統合型校務支援システムの整備率は年々上昇し、校務の効率化に寄与してきた。

 一方で、多くの自治体では校務支援システムを自前サーバに設置し、閉域網で稼働させており、校務用端末も職員室に固定されていることが多いと言われる。文部科学省も「これらの仕組みは従前の政府全体のセキュリティ対策を踏まえたものであったが、1人1台端末の整備とクラウド活用を核とするGIGAスクール時代の教育DXや働き方改革の流れに適合しなくなっている」と指摘している(文部科学省「GIGAスクール構想の下での校務DXについて~教職員の働きやすさと教育活動の一層の高度化を目指して~」令和5年3月8日)。

教務管理や保健管理などを各教室でリアルタイム確認

 そこでチエルは、Google Workspace for Educationを最大限生かしたフルクラウド型校務支援システムを開発した。GIGAスクール構想下の「次世代の校務支援システム」として求められる機能を提供するとともに、クラウドツールとの一体的運用を可能とする。

教務管理や保健管理などを各教室でリアルタイム確認

 既存の一般的な校務支援システムの場合、出欠管理や成績処理などの教務管理機能にアクセスできるのは職員室のパソコンのみである。健康診断票や保健室の利用状況などの保健管理も保健室のパソコンでしか見られない。先生が自分のクラスの児童生徒の成績や健康状態を知りたいとき、職員室や保健室にわざわざ移動しなければならないのが現状だ。

 チエルのフルクラウド型校務支援システムは、教務管理や保健管理に代表される校務支援機能とGoogle Classroomといったクラウドツールを、API連携を通じて一体運用する。さらに、データ利活用に最適なダッシュボード機能を搭載しているため、職員室や保健室で入力した出欠情報、成績管理、保健室来室履歴、健康診断情報などが児童生徒別のダッシュボードに自動的に整理され、その内容は各教室などからリアルタイムで閲覧できる。「個別最適な学び」を後押しすると同時に、先生の働き方改革を支援する仕組みだ。

教務管理や保健管理などを各教室でリアルタイム確認
手書きの「見取り」を複合機でスキャン。時系列でチェック

 今回のフルクラウド型校務支援システムでは、オプションとして複合機との連携による紙とデジタルの融合機能も用意している。週案や見取りなどで従来と同じく紙での管理を継続したい場合は、用紙を複合機でスキャンすると自動でクラウドに取り組む(画像③)。スキャンした各データは、設定情報に基づき個人別データなどに変換したうえで格納するため、先生は見慣れた自分の筆跡で児童生徒の様子を時系列でチェックできる(画像④)。

教務管理や保健管理などを各教室でリアルタイム確認
画像③
教務管理や保健管理などを各教室でリアルタイム確認
画像④

 チエルのフルクラウド型校務支援システムは、GIGAスクール時代の先生の働きやすさと使いやすさを第一に見据え、教育活動の一層の高度化をサポートする機能が揃っている。

NEW ソリューション ピックアップ! 端末利用状況の可視化や授業コンテンツの共有で働き方改革を推進
データ利活用ソリューション

スタディログやアシストログを結合し、一覧表示

 学校現場では、GIGAスクール構想を通じた児童生徒1人1台端末や教職員端末の整備、ネットワーク環境の改善などが進んでいる。しかし、成績表や職員会議での議事録といった教育に関わるデータの利活用環境は整っていないのが現状だ。その結果、校務負担の軽減や教育内外の分野間の効果的なデータ連携が十分に進展していないことが課題となっている。

 チエルは、教育市場に特化したICT専業メーカーとして1人1台端末活用の新たな価値を目指す「データ利活用」の促進に注力している。例えば、Google Classroomで配信したコンテンツの児童生徒の利用状況を可視化することで、先生は課題の提出状況やテストの結果などの把握が容易になる。さらに、ダッシュボード機能などを応用してインターフェースを改善。児童生徒の学習履歴(スタディログ)や先生の指導履歴(アシストログ)の結合データを一覧表示することで、先生のエビデンスに基づく指導や支援をサポートしている。

保護者・PTA・地域などを巻き込む学校全体のDXへ

 校務面におけるデータ利活用のニーズも高い。Googleサイト上で教員用ポータルサイトを作成するケースでは、議事録や通知文書などを掲載することで素早くデータにアクセスし、協働での校務が可能となるシステム構築を提案している。ポータルサイトではデータが連携・連動し、常に最新の情報が表示されるので、行政対応なども迅速に行えるようになる。

 学校DXの実現までには4つのステップが考えられる。先生同士で授業コンテンツを共有するなど「チームによる協働」から、最終的には保護者・PTA・地域などを巻き込んだ「学校全体のDX」にレベルを引き上げるには、蓄積したさまざまな教育データの利活用が不可欠と言えるだろう。チエルでは、各学校の要望に沿った最適なソリューションを提案している。

セミナー講師のコメント エビデンスで確実に進める学校DX ―教育データの可能性―

セミナー講師の菊池美香さんの説明を熱心に聞く参加者
セミナー講師の菊池美香さんの説明を熱心に聞く参加者

チエルのブースでは3日間の期間中に計11回のセミナーを開催し、いずれのプログラムも多くの参加者で賑わった。今回は「エビデンスで確実に進める学校DX―教育データの可能性―」をテーマに登壇いただいた株式会社ストリートスマート Education事業部 マネージャーの菊池美香さんのコメントを紹介する。

 今年のEDIXでは、多くのブースやセミナーで「DX」や「データ利活用」という言葉が飛び交い、これからの学校教育を考える上で重要なキーワードであることがうかがえました。

 その中で、当社では「エビデンスで確実に進める学校DX」をテーマに、学校DXを進めるためのステップと教育データ利活用の可能性についてお話ししました。「そもそも教育データとは?」「教育データを活用することで何ができるの?」といったデータ利活用の基本についてデモンストレーションを交えてご紹介し、教育現場におけるイメージがなかなかつきにくいといった方々にも、エビデンスとしてのデータの利活用方法をお伝えしました。

 さらに、教育データの利活用の肝である「データ同士の掛け合わせ」によって新たな価値を生み出した具体的な事例とともに、「これからの教育の新しい在り方」についてもお伝えしました。これまでの先生方の経験や感覚に「データ」というエビデンスを加えることで、個別最適な学びや校務の効率化・省力化といった、学校DXを着実に進める未来をイメージしていただけたかと思います。

 なお、チエル社と当社は教育DX分野で業務提携を結んでおり、学校DXの実現を目指す自治体様や学校様に多角的なご支援を一緒に行っています。

学校DXの実現に向けて

ネットワークのアセスメントに最適 無線LAN環境を統合的にモニタリングしてネットワークを改善
Tbridge®TbridgeT-Manager®

月別・日別で過去ログを分析。エクセル出力のレポート機能も

 GIGAスクール構想で構築した校内無線LANの動作状況の可視化や、通信に問題が発生した時にフルオートで安定化を図る無線通信可視化・安定化ソリューション Tbridge®。このTbridge®を通じて使用者状況や障害イベントなどの情報をリアルタイムで収集し、学校全体や自治体など複数拠点や複数地点を統合的にモニタリングするシステムがTbridgeT-Manager®だ。

 管理者は、通信トラフィックの詳細をリアルタイム(秒単位)で監視でき、いままでブラックボックスだった通信上のトラフィックの変動や通信上の不具合をいち早く発見できる。

 さらに、月別・日別で過去のログを分析し、リスクを予見して対処することも可能だ。過去の通信状態をグラフと表でエクセル出力できるレポート機能を搭載しているため、分析結果に基づき、1人1台端末の利用増などを踏まえた設備投資判断が下せる。学校や自治体など、さまざまなセグメント単位で通信ネットワークのアセスメントおよび改善を図ることができる。

Tbridge®/TbridgeT-Manager®

最新バージョンアップ情報 レベル確認→トレーニング→試験対策の3ステップで着実に続けられる
英検®CAT

一つの教材で5級から準1級までのレベルをカバー

 株式会社旺文社の調査によると、2022年大学入試 一般選抜で実際に受験生が利用した英語の外部検定は英検が88.4%がと最も多かったことが明らかになっている。この要因としては、検定料の安さ・実施回数と試験会場の多さ・利用できる大学数などが考えられる。

 英検®CATは、一つの教材で5級から準1級までのレベルをカバー。レベル確認→トレーニング→試験対策の3ステップで、着実に続けられる英語学習を実現した。学習履歴が『CHIeru.net』に蓄積されるので、先生は生徒の学びをリアルタイムにチェックできる。

 ログイン後のTOP画面はパソコンやタブレット、スマートフォンの画面に合わせて全体が表示される。他のページも、TOP画面からパート選択や修得・未修得での絞り込みをかけることができたりするなど、ユーザーフレンドリーなインターフェースの評価も高い。

※「 英検」は、公益財団法人日本英語検定協会の登録商標です。

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