公開日:2019/10/9

「名古屋学院大学『CALLセミナー』」開催レポート

 2019年8月31日(土)、名古屋学院大学にて『CALLセミナー』が開催された。2018年9月に竣工されたばかりの『名古屋キャンパスたいほう』で、県内外の小学校・高校・大学の先生方がご参加のもと、以下の2つのプログラムが実施された。

1.講演・模擬授業

「Language Learning using a CALL system
and a MALL system ―
CALL/MALLシステムとe/mラーニングを
活用した英語の学習方法の紹介―」

東京経済大学 特任講師 吉原 学 先生

 吉原先生はCALLシステムを使い始めてからおよそ10年になり、CALL教室で行う授業で実感しているメリットと、2年ほど前から学生にとってスマホはほぼ「ふつうの道具」になっている現状に触れ、東京の2つの私立大学で実践したCALLシステム/MALLシステムの活用例について講演された。

 ちょうど前日まで開催されていた大学英語教育学会(JACET)第58回国際大会のシンポジウムで「ICTを活用するには教材がキーになる」という話題が出たことも紹介され、「主体的で対話的な深い学びをするためには、教材が大きな役割を果たします。何をねらいとしてエクササイズを作り、どのように行うのかも重要です」と述べられた。吉原先生によると、学習者にとってよい教材とは、「Meaningful(意味を持つ)」「Authentic(本物の)」「Personal(個人的な)」の3点を持つものであるという。



「名古屋学院大学『CALLセミナー』」開催レポート
「名古屋学院大学『CALLセミナー』」開催レポート

 次に、MALLシステム活用の実践例として、弊社のmラーニング教材である『ABLish(エイブリッシュ)』を授業の課題として使い、学期末にアンケート調査した結果について発表された。学生は毎日、課題のニュース記事を音読し、内容確認のクイズを解き、「One- or Two-Sentence Summary」を提出する。PCで学習してもよいし、スマホで学習してもよい。アンケート結果では、吉原先生が選んで課したニュースの題材に関して、およそ90%の学生が興味深いと感じており、「『ABLish』を使用しての学習は効果があるか」という質問に対して、「そう思う」「ややそう思う」と答えた学生は88.1%にも及んだ。

  最後に、CALLシステム活用の実践例として、参加された先生方に、吉原先生がふだん大学の授業で実践されている『CaLabo EX』を活用した授業を体験していただいた。ランダムペアでチャンキングを行うなど、活発な模擬授業となった。

  参加された先生方からは、「大変参考になった。もっとお話を伺いたいと思った」「ICT活用のメリット等、理解できた。反復練習など、ICTの利点を活かせる場面で活用を考えたい」などといった感想をいただいた。目的・意図を考え、学習者にあわせた学習方法を提供する、教師の役割が明確に示されたご講演・模擬授業であった。

2.英語ニュース教材『ABLish Ver.3.0』のご紹介

チエル株式会社 製品技術部 CS推進課 小杉 麗奈

 今回は、昨年夏にバージョンアップをし、新しい機能が搭載された、英語ニュース教材『ABLish Ver.3.0』をご紹介!

 『ABLish Ver.3.0』は、世界のニュースを1分間前後の短いトピックにまとめ、週3回配信するオンライン英語ニュース配信サービスである。1本のニュースに対し、2種類の難易度の英文と音声、日本語訳、内容理解のクイズがクラウドで提供される。昨年の夏に、これまでの教材配信・学習機能に加え、チャンク機能などを追加して、さらに学習しやすくバージョンアップした。

 参加された先生方には、実際に学習機能を体験していただき、使用法のイメージを掴んでいただいた。「実際に触れて、色々と具体的な使い方のイメージがわいた」「教材としての難易度も適切で、高校生でも興味を持てる内容だと思う」「ニュース英語を扱ってみたいと思っていたので、大変興味深かった」といった感想をたくさんいただいた。

 セミナー終了後にはキャンパスツアーが企画されており、外国語学部 学部長 柳善和教授より、セミナー会場の「GLOBAL LINKS」をご紹介いただいた。「GLOBAL LINKS」の中心には、150人収容可能な吹き抜けのイベントスペースである「コミュニティ・リンク」があり、その周りに、使用言語は英語のみの「英語ラウンジ」や、英語以外の言語や文化に触れることができる「多言語・多文化ラウンジ」、まるで海外の図書館を訪れたかのような雰囲気の「リーディング・スペース」、そしてCALL教室をはじめとするアクティブラーニングに適した教室等、1階から3階まで様々な施設や機能が配備されている。学生、留学生、教員が交流する場や自学自習の場が豊富に用意されており、学生の多角的な学びを支援する、まさに新時代のキャンパスだった。

 今回のセミナーでは、模擬授業をはじめとした体験型のプログラムを通して、CALLとMALLの両方を使うことによるメリットを実感していただけたようだ。これからも、先生方にとって有用なセミナーをご提供できるよう尽力していきたい。

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