「あるのが当たり前」になった学びの基盤ー『GLEXA』が支えるリハビリ教育
―岐阜県―
岐阜保健大学
授業資料の配布から、小テスト、課題提出、卒業研究のゼミ、そして数週間に及ぶ臨床実習の進捗管理まで――。岐阜保健大学では、eラーニングシステム『GLEXA(グレクサ)』が、教育の幅広い場面で日常的に使われている。リハビリテーション系の学科では教員の約8〜9割が活用し、学生にとっては「入学時からあって当たり前」の基盤となった。どのように導入が広がり、現場でどう生かされているのか。同大学でIR委員長を務める藤井稚也先生にお話を伺った。
岐阜保健大学
〒500-8281
岐阜県岐阜市東鶉2丁目92
看護学部とリハビリテーション学部を擁し、地域の医療・福祉を支える高度な専門人材を育成する総合医療系大学。「思いやりの心」を育む教育を基盤に、豊富な施設環境のもと、国家試験合格や専門職への就職を力強くサポートしている。2027年4月、「日本保健大学」に名称変更予定。
導入〜浸透の決め手 ── 看護からリハビリへ、口コミで広がった活用
岐阜保健大学が『GLEXA』を導入した当初は、まだ学内でゆっくりと活用が進んでいる状態だった。その普及が本格化する大きなきっかけとなったのが、オンライン授業への対応を余儀なくされたコロナ禍である。急激な環境変化の中で教員が『GLEXA』を使って授業を進めるうち、ペーパーレスでの資料配布や提出物への迅速なフィードバックなど、デジタルならではの利便性に多くの教員が改めて気づいていったという。
その実感は、学部会議や教務委員会といった場での口コミを通じて静かに広がっていった。パソコンが得意な教員も、そうでない教員も、日常的に使うツールとして取り入れていく。結果として、リハビリテーション学部では教員の約9割が『GLEXA』を活用するまでになった。
教員の負担軽減と、学びの定着
『GLEXA』に搭載されているさまざまな機能を活用していくことで、今では教員の業務負担は着実に軽減している。まず、各科目では15コマ分の講義資料を『GLEXA』に集約し、ペーパーレス化が進んだ。紙の印刷・配布の手間がなくなっただけでなく、参考資料は動画のURLを埋め込むだけで学生がすぐ視聴でき、データ量を重くせずに教材を充実させられる。前年度に作成した教材をそのまま翌年に流用できる点も、準備時間の短縮に大きく効いている。
日々の運用でも効果は大きい。大規模な授業でも、出席確認は名前の読み上げによる時間ロスがなく、受講していなければ出席ボタンを押せない仕組みで、なりすましも防げる。また、小テストは自動採点され、採点の手間が一気に減った。授業の冒頭と最後に小テストや感想入力を課せば、その日の理解度をその場で把握でき、提出日時の記録から課題の提出状況も一目で判断できる。授業評価(FDアンケート)はGoogleフォームを各科目ページに紐付け、集計の手間も省いている。
負担軽減は、授業の外にも及ぶ。卒業研究のゼミでは、「Board機能」で論文やデータ、原稿を一か所に集めて共有でき、指導のやり取りがスムーズになった。最大9週間に及ぶ臨床実習でも、学生が毎週『GLEXA』に報告を上げることで、教員は離れた場所にいる学生の取り組みや体調・メンタルの状態まで一覧で把握できる。教員間でも、学部・学科会議の議事録やシラバス、国家試験対策の資料を共有フォルダに集約し、組織としての情報共有を支えている。
学生への案内方法とこれから
こうした積み重ねは、学びの定着にもつながっている。学生にとっては、入学時から『GLEXA』が学びの中心にある。入学初日のオリエンテーションでは、Wi-Fi接続の方法やポータルサイトの使い方等とともに、『GLEXA』の使い方を合計2時間のオリエンテーションとして実施。その後は、必修授業内で意図的に『GLEXA』を使うカリキュラムを組んでいるため、4月中旬以降は操作の質問がほとんど来なくなるほど、自然に定着するという。「あって当たり前」のツールとして、学生の学習習慣に溶け込んでいる。
活用が進んだことで、運用体制も次の段階へ進もうとしている。現在はIR委員長である藤井氏が中心となって管理しているが、今後はIR委員会として組織的な管理体制を整えていく方針だ。他学部への展開も進んでおり、『GLEXA』による働き方改革、学びの改革は全学でさらに進んでいく。
『GLEXA』の主な機能と活用画面(一部抜粋)
岐阜保健大学で実際に使われている『GLEXA』の主な機能を抜粋して、画面とともに紹介する。授業の準備から実施、評価、そして実習の管理まで、それぞれの機能が役割を分担し、教育の現場を支えている。
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作業療法学科長/IR委員長
藤井 稚也 先生