公開日:2008/5/6

一歩進んだCALL教室の利活用のために

聖トマス大学 第2回CALLワークショップ

28-4.jpg

チエルでは、CALL教室を有効に活用するためのワークショップの開催にご協力してきた。 これからCALLをお使いになる方はもちろん、既にCALLをお使いの先生方の情報交換の場として活用いただいている。実際にCALLを有効に活用している先生の実践報告やご講演。そして、実際にCaLaboを操作しながらのワークショップを通して、一歩進んだCALL教室の利活用のヒントになれば良いと考えている。
 

兵庫県尼崎市にキャンパスのある聖トマス大学 国際言語教育センター主催のCALLワークショップにお伺いした。会場は定員40名の席がいっぱいになるほど盛況だった。

■ 実践授業報告(1)

「プレゼンテーション授業の紹介―パワーポイントを使用して」
 聖トマス大学 人間文化共生学部 
 多文化共生学科 英語文化専攻 
 教授 スティーブン・ライアン

 ライアン教授がプレゼンの授業で留意しているのは下記6点
 

  1. Teaching is a human process  
  2. Teach useful English  
  3. Speech-making NOT Speech-writing  
  4. Speech class NOT PowerPoint class  
  5. One thing at a time  
  6. Words are the enemy

 

 CALL教室での授業では、学生は「言語学習」ではなく、ICTスキルを使うことで満足しがちである。ライアン先生の授業 では、英語やその他のツールを用いて「自分の言いたいことをどのように 相手に伝えるか」を「繰り返し練習する」場としている。学生がPPTを使って実際に発表する様子をご紹介された。

■ 実践授業報告(2)

「EFL Pod casting」
 聖トマス大学 人間文化共生学部  人間発達科学科  准教授 マーティン・ウェザビ  インターネット、WWWなど、コミュニケーションの手段として使われている技術の歴史や変遷、注目されているPodcastを行うための手順などをご紹介いただいた。また、ウェザビ先生は授業でMoodleを使っているが、初めて使う学生向けの操作方法をスクリーンショットと音声でPodcastコンテンツとして学生に公開しているという報告があった。

   

■ 講演

「プロダクション能力養成のために訓練法  ―通訳訓練法の創造的応用事例およびその理論的背景  ~シャドーイング、ディクトグロスを中心に~」
青山学院大学 文学部英米文学科   教授 染谷泰正

 第1部は「実践編」として、青山学院大学様の「リスニング・コンプリヘンション」の授業内容をご紹介。教材として使っているVOAは話題を選べば長く使える教材になること、ディクテーションも目的を絞れば有効な学習法であること、シャドーイングやノートテイキングといった通訳の訓練法は経験的に英語の力がつくことがわかっていたが、近年、関西学院大学 門田先生の研究などにより理論的な基盤もできあがってきたこと、などをご説明いただいた。

 第2部は、「ディクトグロス」という新しい言語学習活動について、その利点・効果についてご説明いただいた。「ディクトグロス」は、リスニング/スピーキング(ディスカッション)/リーディング/ライティングの4技能にかかわる作業をひとつの課題の中で統合的に行わせることができる学習法であるという。

 ご来場いただいた先生にとって、新しい手法を学ぶ良い機会となったようだ。  チエルではこれからも、全国のユーザー様主催のCALLワークショップに協力していきたい。そして、多くの先生方にCALLを使っていただきたい。CALLワークショップ開催をご希望されるユーザー様は是非ともご連絡いただきたい。

スティーブン・ライアン教授

聖トマス大学 マーティン・ウェザビ准教授

青山学院大学 染谷泰正教授

この記事で使われている製品

この記事に関連する記事