公開日:2013/9/30

統一したインターフェイスで実現する教員の負荷軽減

2006 年、新設されたCALL 教室1室に『CaLabo EX』を導入し、さらに今春、コンピュータ教室7 室に『CaLabo LX』を導入した麗澤大学。これまでの活用法や今後の課題も含めて、システム構築に携わってきた千葉先生にお話を伺った。

麗澤大学
1935 年に道徳科学専攻塾として開塾し、1950 年に麗澤短期大学開学。1959 年に4年制となり現在に至る。外国語学部・経済学部の2学部と別科日本語研修課程、言語教育研究科・経済研究科の2研究科を擁する。
〒277- 8686 千葉県柏市光ヶ丘2-1-1
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決め手はマルチキャスト

 LL教室を含む旧校舎並びにシステムの老朽化に伴い、麗澤大学では2006年に全面的な刷新を行った。その際、新設されたCALL教室に導入されたのが『CaLabo EX』だ。外国語学部教授でオンライン授業支援システムにも詳しい千葉庄寿先生は、システムのリプレイスに直接携わった一人として、当時のことをこう振り返る。

 「最重要課題として捉えていたのは、やはりソフトウエアの選定でした。先生方にとってどのようなソフトが使いやすく、また授業がより良いものとなるのか。資料を見比べ、他大学のシステムを見学させていただくなど、比較検討を重ねました」

 決め手となったのは「マルチキャスト」だったと、千葉先生は語る。

 「1対多のシステムであることは必須でした。教材や各種ファイルの一斉配信と回収が簡単にできるようになれば、先生方の手数も減り、サーバ経由での配信による著作権の問題を回避できるのも魅力でした」

 当時、マルチキャスト環境を構築できるソフトウエアで、かつ大学の先生方にとって使いやすく、必要十分と思えるものは、『CaLabo EX』のほかになかったと言う。

導入から丸6年を経て

 CALL教室に『CaLabo EX』が導入されて以降、2009年、そして今年とバージョンアップを重ねてきた。もちろん、その度に他のシステムも検討されたが、結果、選ばれたのは『CaLabo EX』だった。

 「ファイル配布・回収機能はもちろんのこと、操作ロックやURL一斉表示といった、学生の使用する端末を一元管理できる機能についても便利だという声が上がっています。また、動画や音声ファイルを教材として簡単に扱えるムービーテレコも年々機能や使いやすさが向上し好評ですね。外国語を学ぶ上で欠かせないリスニングとスピーキング能力を高めるためにも、大いに活用されています」

 そして何より、と千葉先生が続ける。

 「『CaLabo EX』の直感的で首尾一貫したインターフェイスが、ソフトウエアの使い方を学ぶ時間をなかなか取れない先生方に支持されています。操作にまごついたり、システムが不安定だったりして、今まで以上に時間がかかってしまうようでは本末転倒ですからね」

「使えない不満」を解消

 とは言え課題もある。情報システムセンター主任の矢野孝三さんは、次のように語った。

 「『CaLabo EX』を導入しているのはCALL教室1室だけですから、当然、使いたくても使えないという状況が生まれてしまいます。操作自体にはあまり慣れを必要としない『CaLabo EX』ですが、『CaLabo EX』を使うことを前提にした授業が組み立てづらいという不満が高まっていました」

 そこで麗澤大学では今年、コンピュータ教室7室に『CaLabo LX』を導入した。『CaLabo LX』は、『CaLaboEX』の操作性を受け継いだ、コンピュータ教室向けの授業支援システムだ。ムービーテレコなどの高次元な機能こそ搭載されていないものの、ファイル配布や回収、操作ロックやURL一斉表示などの基本的な機能は一通り備えている。

 「『CaLabo EX』をよく利用している先生方は、大変便利なものと認知なさっています。しかし、なかなか使う機会を得られない先生方には、まず『CaLabo』に触れていただくことから始める必要があります。何ができるのかわからなければ、授業に活用しようという動機が得られません。7教室への『CaLabo LX』導入は『CaLabo EX』活用のための重要なステップと考えています」

なくてはならないアシスタント

 期待を込めて話す矢野さんに、千葉先生も深くうなずく。

 「『CaLabo EX』と『CaLabo LX』は、操作感も共通のもので、シームレスに使っていけるシステムです。『CaLaboLX』に慣れておけば『CaLabo EX』の機能も楽に使っていただけるはず。導入数的に授業に組み込みやすくなったことで、グループワークなどの新しい機能を活用していきたいという声も出てきています」

 麗澤大学では前期にも先生方へのオリエンテーションを実施したとのことだが、後期にも再度開催し、『CaLabo EX』と『CaLabo LX』でそれぞれ何ができるかを周知していきたいと、千葉先生と矢野さんは語る。

 「そして学生にも、自習時間には積極的に『CaLabo EX』を活用してほしいですね。特に外国語の正確な発音を身につけるために、自分の発音と手本の音声を比較視聴できるムービーテレコの機能は非常に有用です︙︙今年度の新しいシステムでは、ヘッドセットの音質も向上していますし」

 そう期待を込める千葉先生に、矢野さんも同調する。麗澤大学の授業支援システムは、更なる充実に向けて進んでいきそう

製品導入の経緯

●施設並びにシステムの老朽化により、新システムの導入を検討。
●教員の手間を軽減し、授業の効率化と質の向上を図るため、マルチキャスト環境の構築を目指す。

導入後の変化・成果

●『CaLabo EX』導入で実現したマルチキャスト環境により、ファイルの配信・回収が瞬時に完了。授業時間の有効活用につながった。
●モニタ/サムネイル表示機能により、机間巡回することなく学生一人ひとりの学習状況を把握でき、きめ細かいフォローが可能となった。

課題と今後の展望

●『CaLabo EX』が導入されているのはCALL 教室1室のみであり、教員にとっては時間割の制約もあり活用のチャンスが少ない。
●今年度よりコンピュータ教室7 室に導入した『CaLabo LX』との、シームレスな連携を図ることで『CaLabo EX』の有効利用につなげたい。

外国語学部 教授<br>千葉 庄寿 先生<br>研究分野は情報科学と言語学。情報FD センターのセンター長として、教員の指導力向上に取り組んでいる。

外国語学部 教授
千葉 庄寿 先生
研究分野は情報科学と言語学。情報FD センターのセンター長として、教員の指導力向上に取り組んでいる。

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