通信データの可視化で、安心して授業ができるネットワーク環境を実現

―石川県―
金沢市教育委員会

金沢市教育委員会では、ネットワークの安定・高速化や柔軟なフィルタリングの運用など、先生方が安心して授業に専念できるネットワーク環境づくりに力を入れている。「授業を止めない」ための取り組みを、語っていただいた。

学校現場が使いやすい環境を整備し、支援する

　先生方が安心して授業や指導に専念できる環境を目指し、教育のDXを進めている金沢市。その一環として、チエルの無線通信可視化・安定化ソリューション『Tbridge®』と、統合通信可視化ソリューション『Tbridge T-Manager®』を導入している。ネットワークの安定化と高速化を図り、先生方が安心してGIGA端末を活用できる環境を整えるためだ。

　「『Tbridge T-Manager®』は通信状況をグラフなどで可視化してくれるので、ネットワークにあまり詳しくない私でも、とても分かりやすいのが特徴です。おかげでトラブルが発生した時も、迅速に原因を究明し、可及的速やかに対応できるようになりました」と、金沢市教育委員会の吉田光氏はいう。

　まずは普段から、各学校の通信状況を『Tbridge T-Manager®』のログから把握しておく。どの学校がどの程度ネットワークを使っているか、どんな通信の量が多いのか。通常時における通信の「種類や量」を知っておくことで、トラブル発生時に原因を究明しやすくなるからだ。

　学校から「ネットワークが繋がらない、重い」等の連絡が入った場合は、ネットワークの保守管理を委託している外部の業者に調査を依頼しつつ、教育委員会でも『Tbridge T-Manager®』が可視化したログを分析して、原因を探っていく。

　まずは連絡があった学校のトラフィックを確認する。前日や前月平均と比べ、通信量が急増していないかをチェック。近隣校の状況とも比較し、問題はその学校だけで起きているのか、他校でも発生しているのか、障害範囲を特定していく。

　「通常時の監視から、Chromebook™のアップデートがかかると通信量が跳ね上がることが多いと分かっていますので、アップデートが行われていないかをチェックし、対処します」（吉田氏）

　ログを参照するだけでなく、問題が発生した学校への聞き取りも行って、原因を究明していく。

　「最近の傾向として、停電が発生した後にネットワークの不具合が起きやすいことがわかっています。そこで学校への聞き取りを行い、最近停電が起きていたならば、機器を再起動するなどして対応を進めます」（吉田氏）

　それでもまだ解決に至らない場合は、さらに細かくログを分析して、原因を特定していく。

　金沢市では校務系ネットワークと学習系ネットワークを切り分けているが、どちらで通信が重くなっているのかを究明していく。障害が発生している教室や場所を調べつつ、校務系・学習系の各ネットワーク上で使われているソフトウェアのトラフィックを分析していく。例えば校務系ネットワークだけが重くなっているのであれば、校務系でのみ使われているソフトウェアが原因ではないかと推定し、通常時と比べてトラフィックに異常がないか等、分析を進めていくのだ。

　「『Tbridge T-Manager®』は、原因究明と解決のヒントとなる情報をふんだんに提供してくれる」と、吉田氏はいう。

　ネットワークに問題がなくとも、特定のサービスで障害が発生することもある。その場合も、『Tbridge T-Manager®』のログが原因究明と復旧に役立つ。

　まずは当該サービスのヘルスチェックサイトを確認し、大元で障害が発生していないか確認。次に、当該サービスへの通信量を見て、普段との違いはないかをチェック。他の学校でも同様の障害や通信量の変化が起きているかを確認し、影響範囲を特定していく。

　「ネットワークが止まれば、授業が止まってしまいます。『Tbridge T-Manager®』のおかげで、一刻も早い原因究明と復旧が可能になりました」と、吉田氏は手応えを感じている。

先生方が授業に専念できるよう支援していきたい

　現在、金沢市の市立小中学校では、毎日3万台以上の学習用端末が稼働し、日々の授業が行われている。もしネットワークに障害が発生し、復旧に時間がかかるようであれば、子供たちの学びを止めてしまいかねない。先生方にとっても、ネットワークが不安定だと安心して端末を活用させることができず、指導に支障を来してしまうことだろう。

　ネットワークは、GIGA活用を支える基盤インフラであり、その安定化と高速化は、GIGAスクール構想第二期においてもますます重要になってくる。

　「先生方が安心して指導に専念できるように、今後もネットワークの安定稼働に努めていきたいと思います」（吉田氏）

※ChromebookはGoogle LLC の商標です。