公開日:2019/9/27
『第58回大学英語教育学会(JACET)国際大会』出展レポート
一般社団法人大学英語教育会(JACET)が主催する『第58回大学英語教育学会国際大会』が、2019年8月28日~30日の3日間、愛知県名古屋市にある名古屋工業大学において開催された。天候に恵まれない中、全国各地から多くの先生方が足を運ばれた。
今年の国際大会は「『ボーダレス』の先に―変革する社会における英語教育」をテーマとし、AIロボットが人間とコミュニケーションするようになり、近未来において、生身の英語教員の意義や役割は何なのか、今後、英語教育はどこへ向かっていくべきかを討論する機会となった。
特別企画シンポジウムでは「10年後の英語教育」と題し、4名のシンポジストが教育現場におけるICT活用の現状と今後の変化について、質問に答えるものとなった。まず、株式会社EnglishCentralの松村弘典社長と株式会社成美堂の羽田克夫氏、次に、株式会社インターアクト・ジャパンの帯野久美子社長とチエル株式会社の豊野勇紀氏が、各社の製品の概要と教育現場での使われ方について紹介し、今後、「5G」のような技術の導入によってどのようなことが可能になっていくのか、それにより教育現場ではどんな変化が期待されるのか、コメントされた。
最終日の全体シンポジウムでは、「ICTを活用したボーダレスな英語教育―クラウド・AI時代に英語教師ができること―」と題し、最初に、大学英語教育を取り巻くICTの変化と将来の展望について、eラーニング等のシステムを開発・提供する企業の立場から株式会社VERSION2取締役の品川氏、次に、教育工学の立場から大阪大学 全学教育推進機構 教育学習支援部の村上正行教授、最後に、英語教員
の立場から東洋学園大学 グローバル・コミュニケーション学部の下山幸成教授が話された。
いずれのシンポジウムでも、今後、AI技術がさらに発達し、英語教育に取り入れられていくであろうことが提言されていたが、「教員としてやることがなくなるわけではない」とも強調されていた。2つのシンポジウムを通じて、AIと人間では要求される能力が異なるため、役割分担が大事であり、目的・意図を確認するのは人間の役割である、ということを改めて考えさせられた。ICTが有効活用され、今まで行き届かなかったところに対してきめ細かい指導が可能になっていってほしい。
さて、今回チエルはCALLシステム『CaLabo EX(キャラボ・イーエックス)』、MALLシステム『CaLabo MX(キャラボ・エムエックス)』、eラーニングシステム『Glexa(グレクサ)』を展示。
展示ブースには、eラーニング教材や語学学習支援システムを求めて多くの先生が訪れた。なかでも、『CaLabo MX』に興味を示されている先生が多く、「場所にとらわれずに、クラウド型で英語4技能の学習支援ができるところがいい」など導入に前向きな声をいただいた。また、『CaLabo EX』を活用されている先生も多く足を運ばれ、先生ご自身の活用法を共有してくださるなど、大変意義深い機会であった。
貴重なご意見を頂戴した先生方に感謝しつつ、製品の改善やICTのより良い活用法のご提案に生かせるよう、身が引き締まる思いであった。