「いつでも・どこでも」の学びが育てる学生の主体性と英語力
―大阪府―
摂南大学 (国際学部)
語学学習を、自宅やキャンパスのどこからでも――。摂南大学 国際学部では、クラウド型の語学学習支援システム『CaLabo® MX』を導入し、英語学習のあり方を大きく変えている。AIによる発音判定や音読速度(WPM)の測定といった機能が、学生に「もう一度挑戦したい」という前向きな気持ちを与え、これまで把握が難しかった一人ひとりの学力の伸びも客観的なデータとして残せるようになった。導入から約1年。同学部での活用の手応えを、現場の声とともに紹介する。
摂南大学
〒572-8508
大阪府寝屋川市池田中町17-8(寝屋川キャンパス)
大阪(寝屋川・枚方)にキャンパスを擁する総合大学。「実学の重視」を掲げ、専門知識と社会で活きる実践力を養う。近年は国際学部を中心に、ICTを活用した主体的な語学教育やグローバル人材の育成に注力している。
教室の壁を越える──クラウド型への移行という決断
摂南大学が『CaLabo® MX』を選んだ背景には、従来のCALLシステムが抱えていた「教室内でしか使えない」という制約があった。場所を選ばず、自宅や空き時間でも同じ環境で学べるクラウド型システムへの期待は、導入前から高かったという。
実際の移行も、これまでの授業スタイルを活かしたままスムーズに進んだ。学内のコンピューターやシステム、ネットワーク等の管理を担う情報メディアセンター事務室の笠原雄平氏は、「導入時に手厚いサポートを受けられたことで、システムの移行に関する当初の懸念はほとんど解消されました」と振り返る。同センター事務室長の斉藤大輔氏も「最初は教職員から運用の変更を不安視する声もありましたが、手厚い支援のおかげで、今では『非常に便利になった』と評価が変わっています」と笑顔を見せる。トラブル時の対応も迅速で、信頼のおける保守体制が日々の運用を支えている。
点数が「その場で見える」 ──AI判定が引き出す学生のモチベーション
『CaLabo® MX』の活用で、学生に変化をもたらしているのが、AIによる発音・シャドーイング判定だ。聞く、話す、判定する、提出する――という一連の流れがよどみなく進み、発音した直後に点数が画面へ表示される。学習の成果がその場で可視化されるため、「もっと高い点を取りたい」と繰り返し挑戦する学生の姿が自然と生まれている。改善すべきポイントも明確に示されるので、どこを直せばよいかが分かりやすい。 操作のしやすさも、学習への集中を後押ししている。ボタンが大きくシンプルな画面設計のため、学生はマニュアルがなくても短時間で操作に慣れ、迷うことなく学習そのものに向かえるのだ。
データで個を高め、対面で学び合う──WPM測定と個別・協働のバランス
あるリーディングの授業では、読解速度を示すWPM(Words Per Minute)を測定し、その数値を提出させる運用を取り入れている。 『CaLabo® MX』のリーディング学習画面では、本文を読む前と後に画面上のタイマーをクリックするだけで手軽にWPMを計測できる。これにより、これまで把握が難しかった一人ひとりの読解速度の推移が客観的なデータとして蓄積され、指導の振り返りや学生へのフィードバックに活かされている。
また、授業内では学習者モニター機能も活躍する。教員が学生の端末画面を全体に映し出し、リアルタイムで進捗やコメントを確認しながら授業を進める。
システムを使った「個」の集中と、対面でのペアワークによる「協働」を組み合わせることで、授業には心地よいメリハリが生まれている。笠原氏は「デジタルで一人ひとりが集中して取り組む時間と、対面で互いに学び合う時間。現場の先生方がその両方をバランスよく組み合わせ、非常に効果的な授業を展開されています」と、ハイブリッドな学びの手応えを語る。
学部を越えた活用へ── 広がる活用の輪
『CaLabo® MX』の活用を広げるため、同センターでは学内の情報共有プラットフォームを活用し、教員間でのマニュアル共有や、学生へのクラスコード※ の周知などを行っている。
(※クラスコード: 教員が『CaLabo® MX』でクラスを作成すると自動生成される4〜6桁の数字で、学生はこのコードを入力するだけで該当クラスへの登録が可能となる。)
「新システムになって何ができるのか、先生方もまだ手探りな部分があると思います。ですので、今後は実際に『CaLabo® MX』を活用されている先生方の実践例(授業風景など)を動画等で記録し、教員間で共有していきたいです。そうすることで、まだ活用をためらっている先生方の後押しや参考になればと考えています」と笠原氏は話す。最近では他学部の教員が利用を始めるなど、活用の輪は着実に広がりつつある。
また、学びの入り口を広げる試みも進む。高校生向けの模擬授業でWPM測定を取り入れたところ非常に好評で、入学前教育への展開が検討されているところだという。それにより、英語レベルの平準化や、合格後の学習意欲の維持につなげる狙いがある。
さらに、英語ニュース記事を定期配信して意欲的な学生に応える仕組みや、要約課題にAI要約機能を活用して語彙・文法の観点で助言する取り組みも構想されており、『CaLabo® MX』を軸にした学びはさらに深まろうとしている。
情報メディアセンター
事務室 室長
斉藤 大輔 氏
情報メディアセンター
事務室
笠原 雄平 氏