スムーズなログインと授業支援機能で隙間時間を「深い学び」に有効活用

―愛媛県―
四国中央市教育委員会

学習時間の確保のため、Chromebook™ の立ち上げ15秒、ログイン10秒の、合計30秒以内に授業を開始する──。子供たちの「深い学び」の実現に強い意欲で臨む四国中央市が選んだのが、授業支援ツール『InterCLASS®Cloud』および運用支援ツール『InterCLASS®Console Support』だ。教育委員会と学校現場に活用状況を聞いた。

スムーズなログインと授業支援機能で隙間時間を「深い学び」に有効活用
四国中央市教育委員会

四国中央市教育委員会
〒799-0497
愛媛県四国中央市三島宮川4-6-55
TEL:0896-28-6136

二次元コードをカメラにかざすだけでログイン

 愛媛県の東部に位置する四国中央市は多彩な“顔”を持つ。紙関連の製造品出荷額等が18年連続日本一の「紙のまち」。そして近年は、日本ICT教育アワードにおいて全国ICT教育首長協議会会長賞を2年連続で受賞した「教育ICTのまち」としても知られる。

 四国中央市には19の小学校と7の中学校があり、約6000人の児童生徒が通う。GIGAスクール構想の下、2019年3月には、授業支援ツール『InterCLASS®Cloud』と運用支援ツール『InterCLASS®Console Support』を活用できる Chromebook を市内の小学校・中学校に一斉に配備した。両ツール採用の最大の決め手は「授業時間の有効活用」である。

 『InterCLASS®Cloud』は Google Classroom とシームレスに連携し、先生画面の送信、学習者画面の一斉モニタリング、学習者の画面比較など必要な機能を厳選している。Webページ送信機能は、先生が学習者に送りたいURLを貼り付けると学習者端末で当該Webページが一斉に開くため、長いURLの入力時間を短縮でき、スムーズに授業を進められる。

 また、クラウド環境で1人1台端末を使う場合、校務情報および児童生徒の個人情報などの漏洩・改ざんのリスクがあり、事故防止には強固なセキュリティが欠かせない。しかし、特に低学年の児童が授業のたびに長いIDとパスワードを入力するのは非効率といえる。

 「授業時間は、小学校が45分、中学校が50分です。先生は1単元ごとに学んでほしい内容を準備していますが、ログインに30分かかるようでは授業になりません。四国中央市はGIGAスクール構想のスタートに先立ち、Chromebookの立ち上げに15秒、ログインに10秒の、合計30秒以内に授業を始めることを目指しました。『InterCLASS®Console Support』は、子供たちがキーボードを操作せず、二次元コードをカメラにかざすだけでログインできます。授業開始前のID・パスワード入力のトラブルがなくなり、先生はすぐに授業を始められるので導入しました。現在は、市内の小学校の1~3年生は二次元コードによるログイン機能を使っています」(四国中央市 教育委員会 教育指導部学校政策課 課長の鈴木崇士氏)

 Google Classroom を使うことで、例えば、これまで紙のプリントの配布と回収に5分かかっていたのが30秒で済む。四国中央市では、この空いた4分30秒のような隙間時間を「個別最適な学びの実現」に充てている。

 「ICTは授業の質向上の『補助輪』と考えます。大事なのは、端末と単に向き合う時間の増加ではなく、端末を使って先生と子供たち、または子供たち同士のコミュニケーションを充実させることではないでしょうか。クラウド環境下の1人1台端末ならではの共同編集や他者参照などを通じて、児童生徒は新しい知識を習得したり刺激を受けたりしながら自分自身を見つめ直し、自らにふさわしい学びを深めることができるでしょう」(鈴木氏)

すべての学校と子供たちに等しいICT環境を整える

 四国中央市では、市名の略称の「しこちゅ~」と組み合わせた「GIGAしこちゅ~」を合言葉に教育のICT化を多角的に進めている。その取り組みの柱が、授業改善・オンライン授業を工夫する「StuDX Style」、教育の質向上・学校現場の業務改善を図る「教職員研修プログラム」、活用事例の充実・発展を促す「チャレンジプログラム」の3つの方策である。

 「私たちは、すべての学校・すべての子供たちに等しいICT環境を整えることを基本方針に掲げています。ICT機器やアプリといったハード面はもちろん、県外の学校とのオンライン交流会といった端末の利活用を後押しするソフト面の施策も、全員が体験できるように運営しています。そしてある学校の優良事例はみんなで共有し、四国中央市全体の教育ICTの底上げを図る。『どの学校に通っても最先端のICT教育が受けられる』体制は、デジタル教科書導入などGIGAスクール構想のさらなる拡大に対して、保護者や地域の皆さまのご理解・ご協力をいただく上でも大切な視点と考えます」(鈴木氏)

 子供たちには、変化の激しい社会を生き抜く力が求められる。四国中央市では、学校関係者、保護者、地域が一体となって教育ICTを推進し、GIGA時代の学びを後押しする。

*Chromebook は、Google LLC の商標です。

教育指導部学校政策課<br>課長<br>鈴木 崇士 氏

教育指導部学校政策課
課長
鈴木 崇士 氏


※ご紹介させていただいた所属・役職は2024年3月1日現在のものです

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