GIGAスクール構想第二期に向け、より安全で効果的な活用と、環境整備のために

―千葉県―
印西市教育委員会

利根川や印旛沼など豊かな自然と、都心へのアクセスの良さから、移り住む人が増えている千葉県印西市。『InterCLASS® Filtering Service』を導入し、そのオプションサービスである『フィルタリングダッシュボード』も試験運用している。GIGAスクール構想第二期を見据えた「ねらい」について、語っていただいた。

GIGAスクール構想第二期に向け、より安全で効果的な活用と、環境整備のために
印西市教育委員会

印西市教育委員会
〒270-1337
千葉県印西市草深924

先生と保護者の「安心」のためにフィルタリングを導入

 豊かな自然と充実した子育て支援で、若い世代の移住者が増えている千葉県印西市。GIGA端末活用も盛んで、Google Workspace for Education をはじめ、さまざまなアプリをどの教科でも活用し、端末の持ち帰りも行っている。そんな印西市では、チエルのWebフィルタリングツール『InterCLASS® Filtering Service』を活用している。

 「GIGA端末の活用が盛んになればなるほど、子供が不適切なサイトにアクセスしてしまう危険は高まります。そうした危険を“未然に”防ぎ、先生方が安心して授業できるようにしたかった」と、印西市教育委員会の松本博幸・教育DX専門官は、導入の意図を説明する。

 他社のフィルタリング製品も検討したが、学校向け製品でないため、使いづらかったという。

 「その点『InterCLASS® Filtering Service』は学校向けに作られているため使いやすく、コストパフォーマンスもよかった。またネットへの負荷も少なく、Chromebook™ に特化して最適化されている点も高く評価しました」と、印西市教育委員会の橋本一哉指導主事は導入の決め手を語る。

アクセス履歴(グループ別)
アクセス履歴(グループ別)

 印西市では端末を持ち帰っていることもあり、保護者に安心してもらうねらいもあった。子供が端末で本当に学んでいるのか、遊んでないのかと保護者は心配だが、ずっと側で見ているわけにはいかない。

 そこで、『InterCLASS® Filtering Service』で、端末の利用可能時間帯を設定。小学生が夜10時から朝6時、中学生が夜11時から朝5時を利用不可に設定している。またアプリごとにも時間帯を設定しており、例えばGoogle MeetTM は、夕方5時以降は利用できないようにしているそうだ。ただし市の原則ルールを決めてはいるが、各学校・各学級の要望に合わせて柔軟に対応している。

 「例えば子供同士のチャットは原則禁止ですが、授業で協働するために使いたいという要望もあります。『InterCLASS® Filtering Service』 なら、すぐに設定を変えて対応できるのも大きなメリットです」と松本氏。

 ブラックリストへの追加や削除も、柔軟に対応できる。「学習で使っているサイトがブラックリストに載っているので解除してほしい」「ブラックリストに載っていない不適切なサイトを発見したので追加してほしい」。そうした連絡を受ければ、教育委員会ですぐに対応できる。「先生を待たせない、授業を止めないで済む」と、橋本氏は笑顔で語ってくれた。

GIGA活用状況を正確に見取り授業改善と環境整備に活かす

閲覧サイト(アクセス数)
閲覧サイト(アクセス数)

 印西市では2025年度に端末を更新予定で、GIGAスクール構想第二期に向けた環境整備が本格的に動き出す。どんなアプリや教材などが必要かを見極めて、最適な環境を整備していかねばならない。そこで印西市教育委員会では、「教育データ」を活用して、まずは現在のGIGAスクール環境の利用状況を正確にとらえようとしている。

 使い始めたのは、『InterCLASS® Filtering Service』のオプションサービスである『フィルタリングダッシュボード』。これは、ネットやGoogle Workspace for Education のアプリ、デジタル教科書などの使用ログを自動で集積し、さまざまな形で可視化してくれるものだ。図で示したように、子供たちのアクセス履歴や閲覧したサイトなどもひと目で分かる。

 「今までは、『このサイトやアプリがよく使われているようだ』という漠然とした印象しかつかめていませんでした。フィルタリングダッシュボードのデータを見れば、今まで先生が見えていなかった学習の様子を、正確に見取ることができます。しかも見やすい形に加工して提示してくれるので、データの収集や整理・分析の手間もかかりません」(橋本氏)

 こうしたデータは今後の環境整備に役立つだろうと橋本氏はいう。

 「子供たちがどんなアプリをよく使っているか。これらのデータを参考にしながら、GIGAスクール構想第二期で整備すべき環境を検討していきたいと思います」

 環境整備だけでなく「授業改善」にも役立てようとも考えている。フィルタリングダッシュボードのデータは、子供一人一人の学習の様子、学級や学校全体の傾向なども浮き彫りにしてくれる。例えば「この学級の授業では、検索サイトを使用している時間が長く、情報の整理・分析の時間が少ない」といった傾向が分かれば、もっと整理・分析の時間を取るように授業を改善できる。

 「先生の見取りにダッシュボードの利活用データが加われば、今まで以上に授業改善がしやすくなる。データに基づいた授業改善を繰り返すことで、先生方の指導力も向上するはず」と、松本氏はいう。

 文部科学省は今、「教育データの利活用」による「指導の改善」を推奨しており、印西市の取り組みはこれに合致する。GIGAスクール構想第二期では、このような教育データの利活用が全国各地で行われていくことだろう。

※Google Workspace for Education、Chromebook、Google MeetはGoogle LLC の商標です。

印西市教育委員会<br>教育DX専門官<br>松本 博幸 氏

印西市教育委員会
教育DX専門官
松本 博幸 氏

印西市教育委員会<br>印西市教育センター 指導主事<br>橋本 一哉 氏

印西市教育委員会
印西市教育センター 指導主事
橋本 一哉 氏

この記事で使われている製品

この記事に関連する記事