公開日:2008/9/26
集中が持続するCaLabo EXのランダムペア機能
録音回数を重ねるごとに自分の成長を実感
日本でも数少ないリベラル・アーツ・ユニバーシティー、宮崎公立大学。全方位的な教育を目指す同校で、CaLabo EXを授業に活用されている戸高裕一先生にお話を伺った。
戸高裕一先生の1年生「CALL A」の授業を見学した。前期最後の授業だった当日は、ムービーテレコを使い、シルベスタ・スタローンの『ロッキー』の台詞をシャドーイングしていく。2回目は字幕を出して、3回目はムービーテレコを見ながら台詞を声に出してみる。一通り発音練習が終わると、戸高先生から台詞の内容に関して、英語での解説が始まった。
「世の中には、いいことも悪いこともある、悪いことがあると人のせいにする。Keep moving forward! 自分の可能性を信じないで、未来は開けないよと言っている。先生が言いたいのは、後悔はするなということです。これから大学生活やその先の社会人になっても、何かに一生懸命取り組んでください。すべてが成功するわけではないですが、少なくとも後悔はしないはずです」
最後の授業ということもあり、映画のメッセージを通じて、戸高先生の想いを伝える意味深い授業だった。
「単純なものでも聞き取れるようになるのはむずかしいですね」
授業の後、CaLabo EXについて伺った。同校では、入学の際、プレイスメントテストを行い、初級・中級・上級に分けている。
「上級のクラスに対しては、DVDをそのまま聞かせます。初級のクラスでは、そのまま聞き取るのは難しいので音声データに変換して、聞きたい場所を何度も繰り返しながら聞かせます」
ムービーテレコを使って繰り返し音声を聞くことにより、はじめは難しく思えた音声も聞き取れるようになると言う。
音声の速度を変えて聞く機能も付いているが、戸高先生はオリジナルの音声で練習させている。
「音声の速さに関しては最初から慣れたほうが良いと思っています。(遅い音声で練習しても)海外に行ったときに聞き取れないと思うので。『とにかく慣れろ』と指導しています」
CaLabo EXの使用感
今回、1年生の前期最後の授業を拝見したが、入学した当初の学生の反応はどうだったのだろう。
「反応は非常に良かったですよ。特にランダムペアは好評ですね。最初は隣の人とペアを組ませるのですが、そのうち飽きてしまいます。次から次へとペアが変わるのは盛り上がりますね」
飽きさせない授業が大切だと戸高先生はおっしゃる。学生たちは最初から反応が良かっただけでなく、操作的にも問題なく使えるようになっていったという。
「最初は学生たちも戸惑いますが、ボタン一つの操作なので問題ないですね」
CaLabo EXメリット・デメリット
- CaLabo EXを使った講義風景
次にCALLを使った授業のメリットとデメリットを伺った。
「メリットは、一言で言うと、時間が有効に使えるところですね。昔ならテープを巻き戻したり、ペアを組みなおしたり、実質的な授業以外のことで時間を使っていましたが、CALLだとそういう時間が無くなり授業時間が増えます」
時間の有効利用が戸高先生の満足感に繋がっているようだ。さらにお話は続く。
「最初の授業のときに、自分の声を録音させます。今12回目の録音ですが、最初の自分と今の自分の発音を比べると良くなっていることが分かります。学習への動機付けや達成感を与えるにはCaLabo EXは本当に役に立ちますね」
デメリットとしては、教員が慣れるまで時間がかかるところだとご指摘をいただいた。
「私は機械に弱いので、最初は助手の方に、次回の授業のアクティビティーを伝えて操作していただきました。次の段階で、マニュアルを作っていただいて、自分で取り組みました。やってみると本当に簡単なのだけど、最初はやはり嫌でしたね。拒否反応がありました(笑)」
最後に弊社に期待することを伺った。
「電化製品でも同じですが、マニュアルで細かく説明していると、かえって分からなくなるってことがあると思います。
見ただけで理解できるマニュアルがあればよいですね。若手用のマニュアルと、おやじ用のマニュアルがあれば…(笑)」
バージョンが進むに従って様々な機能が増えると、比例してマニュアルも複雑になる。先生から頂いたご意見を真摯に受け止め、マニュアルを見て、拒否反応ではなく使ってみたいと思っていただけるような製品作りをしていきたいと思った。
教授 戸高 裕一先生